最新の大規模言語モデル「GPT-5.2」が、専門家による評価指標「GDPval」で大きくスコアを伸ばし、前世代のGPT-5から性能が大幅に向上したことが明らかになりました。スライド作成やスプレッドシート、プログラミングコードの生成など、ビジネスや開発の現場での活用シーンが一段と広がりつつあります。
GPT-5.2とは何が違うのか:性能向上のポイント
専門家評価指標「GDPval」で70%を獲得
GDPvalは、業界の専門家がモデルの出力と他の専門家による出力を比較し、「どちらを好むか」を評価する指標です。GPT-5.2はこのGDPvalで「70%(勝利または同等)」という結果を記録し、GPT-5の38%から大きくスコアを伸ばしました。これは、「人間の専門家レベルの回答」と比べても、かなりの頻度で同等以上に評価されていることを意味します。
従来モデルは特定の分野や複雑なタスクで専門家に見劣りするケースがありましたが、GPT-5.2ではそのギャップが着実に縮まりつつあります。特にビジネス文書の作成、技術的な説明、データ整理など、精度と一貫性が求められる領域での評価が高まっています。
GPT-5からの飛躍:38%→70%の意味
GPT-5のGDPvalスコアは38%と、専門家による回答と比較した場合には「まだ改善の余地が大きい」水準でした。それに対しGPT-5.2は70%に到達し、専門家の回答に対して「負けるよりも、勝つか同等と判定されるケースの方が多い」レベルに近づいています。
このスコア上昇は、単なる微調整ではなく、モデルの理解力・推論力・表現力が総合的に改善されていることを示唆します。日常的な文章生成だけでなく、ドキュメント構造の設計や、複数の情報源を統合して結論を導くタスクなど、より高度な仕事にも使える可能性が高まっています。
ビジネス現場での主な活用シーン
スライド資料のドラフト作成
GPT-5.2は、プレゼンテーション用スライドの構成案や原稿の作成をサポートします。テーマと目的、想定する聴衆(経営層・営業・技術者など)を伝えることで、以下のような内容を生成できます。
- 全体構成(アジェンダ)の提案
- 各スライドの見出しと要点箇条書き
- グラフや図解のアイデア、説明文の草案
人間側は、モデルがつくった叩き台をもとに、自社の実データや社内用語に合わせて修正するだけでよくなり、資料作成時間を大幅に短縮できます。
スプレッドシートとデータ整理の自動化
スプレッドシートの数式提案や、データ整理の手順設計もGPT-5.2の得意分野です。たとえば「売上データから月次成長率を計算し、部署ごとにランキングを出したい」といった要望に対して、必要な列構成や関数、ピボットテーブルの作り方を具体的に示せます。
- 表構造の提案(列名・データ型など)
- Excel/Sheets関数の例(VLOOKUP、INDEX/MATCH、FILTERなど)
- グラフ化・可視化の方針案
これにより、分析担当者は「どのように計算するか」を一から考える負担が減り、「結果から何を読み取るか」という本質的な分析に集中しやすくなります。
コード生成とレビュー支援
GPT-5.2は、プログラミングコードのサンプル作成やバグ調査の補助にも利用できます。自然言語で要件を伝えると、主要なプログラミング言語での実装例を提示したり、既存コードの改善ポイントを提案したりします。
- 小規模なスクリプトや自動化ツールの雛形作成
- エラー文やログをもとにしたトラブルシューティングの方向性提示
- 読みやすさ・保守性を意識したリファクタリング案
あくまで最終判断は開発者が行う必要がありますが、手戻りを減らし、試行錯誤のスピードを高める「相棒」としての役割が期待できます。
導入時に意識したいポイントとリスク
専門家評価が高くても「万能」ではない
GDPvalでのスコア向上は大きな前進ですが、それでもGPT-5.2が常に正しいとは限りません。とくに、最新の業界動向や社内固有のルール、法的な解釈が絡む内容では、事実確認や専門家レビューが不可欠です。
活用の基本は「ドラフト生成」と「アイデア出し」です。最終成果物としてそのまま出すのではなく、人間のチェックと修正を前提に使うことで、リスクを抑えつつ生産性向上のメリットを享受できます。
情報漏えい防止とガバナンス整備
モデルに入力する情報には、機密データや個人情報が含まれる可能性があります。自社のポリシーや利用しているサービスのプライバシー仕様を確認し、「入れてよい情報」「入れてはいけない情報」の線引きを明確にしておくことが重要です。
- 入力してよいデータの範囲をガイドライン化する
- プロジェクトや部署ごとに利用ルールを共有する
- モデルの出力を鵜呑みにせず、重要事項は必ず複数ソースで確認する
こうしたルール整備を行うことで、GPT-5.2の利便性を活かしながら、コンプライアンスやセキュリティのリスクを低減できます。
まとめ
GPT-5.2は、専門家評価指標GDPvalで70%というスコアを達成し、前世代のGPT-5から大きく進化したことが示されています。スライド作成、スプレッドシート設計、コード生成など、多様なタスクを専門家レベルに近い品質で支援できるようになりつつあります。一方で、依然として人間によるチェックとガバナンスは欠かせません。AIを「代わりにやる存在」ではなく、「仕事の質とスピードを高めるパートナー」として位置づけることが、これからの活用における鍵となりそうです。



