画像生成AIサービス「Midjourney(ミッドジャーニー)」が、人気占星術アプリ「Co–Star(コースター)」を買収し、Co–StarのCEOであるBanu Guler(バヌ・グラー)氏がMidjourneyのチーフ・デザイン・オフィサー(CDO)に就任することが明らかになりました。クリエイティブAIと占星術アプリという異色の組み合わせは、今後のプロダクトデザインやユーザー体験にどのような変化をもたらすのでしょうか。
MidjourneyによるCo–Star買収の概要
買収の発表内容と役職の変更
Midjourneyは、テキストから高品質な画像を生成できるAIサービスとして世界的に利用が拡大している一方、Co–Starは占星術とパーソナライズされた星占いで若い世代を中心に人気を集めてきました。今回の発表によると、MidjourneyはCo–Starを買収し、同社CEOのBanu Guler氏がMidjourneyのチーフ・デザイン・オフィサーに就任します。
Guler氏はMidjourneyにおいて、デザイン、プロダクト、フロントエンドを横断する新たなチームを構築し、同社の各種プロジェクトに関わるユーザー体験全体をリードしていくとされています。
Co–Starアプリは独立運営を継続
買収後も、Co–Starアプリ自体はこれまで通り提供され、Guler氏の「完全なコントロール」の下で運営が続けられると明言されています。これは、既存ユーザーにとって大きな安心材料であり、突然のサービス変更やブランド消滅といったリスクが抑えられることを意味します。
一方で、MidjourneyとCo–Starとの間でデザインや技術的なシナジーが生まれる可能性も高く、今後、両サービスの連携や、世界観を共有した新機能・新サービスが登場することも期待されます。
なぜCo–Starなのか:デザインと「パーソナルな体験」への期待
Co–Starが持つ強み:占星術×パーソナライゼーション
Co–Starは、生年月日や出生地などの詳細なデータをもとに、ユーザーごとにカスタマイズされた占星術コンテンツを届けるアプリとして知られています。その特徴は、星占いを単なる「おみくじ」ではなく、日常的な自己理解や人間関係のヒントとして位置付けた点にあります。
洗練されたミニマルなUIや、独自の言葉選びによるメッセージ性の強いコピーなど、デザイン面でも高く評価されてきました。こうした「個人に深く突き刺さる体験」をデザインしてきたノウハウは、AIを使ったクリエイティブツールの使い勝手や世界観づくりにも応用可能です。
Midjourneyが求める「プロダクトとしてのAI体験」
Midjourneyは、これまで主にDiscord上のコマンド操作を中心に利用されてきましたが、ユーザー数の増加とともに、より直感的で美しいUIや、幅広いユーザーが迷わず使いこなせる体験設計が求められています。
今回の人事は、AIモデルの「精度」や「性能」だけでなく、それをどうプロダクト化し、どのような物語や世界観でユーザーに届けていくかに、Midjourneyがより力を入れ始めたサインとも受け取れます。Co–Starが培ってきたブランドづくりと感情に訴えるデザインは、この方向性と合致しています。
ユーザーにとってのメリットと今後の注目ポイント
MidjourneyのUI・機能改善への波及
現時点では、具体的な新機能やインターフェース刷新の計画は公表されていませんが、Guler氏がデザインとプロダクト、フロントエンドを横断するチームを率いることで、次のような変化が期待できます。
- 初心者にも分かりやすい、ガイド付きの画像生成フロー
- 作品や好みに基づく、よりパーソナルなおすすめ機能
- ストーリー性や世界観を感じられるUIデザイン
- クリエイター同士のつながりを意識したコミュニティ機能の強化
特に、生成AIサービスは「何ができるのか」「どう指示すればよいのか」が分かりにくい側面があります。そのハードルをデザインと体験設計でどこまで下げられるかが、今後の普及に大きく影響しそうです。
Co–Starユーザーへの影響と新たな連携の可能性
Co–Starアプリは、Guler氏の完全なコントロールのもと、これまで通り提供されるとされています。そのため、短期的にはUIや機能が大きく変わる懸念は小さいとみられます。一方で、中長期的には以下のような連携の可能性も考えられます。
- 占星術の結果をビジュアルで表現する、AI画像との連携コンテンツ
- ユーザーの星座・ホロスコープに合わせた、パーソナライズドなビジュアル表現
- Co–Starの世界観を反映したMidjourney用プロンプトテンプレート
こうした取り組みが実現すれば、占星術ファンとクリエイティブAIユーザーという、これまで重なりが少なかったコミュニティ同士の交流が生まれる可能性もあります。
まとめ
MidjourneyによるCo–Star買収と、Banu Guler氏のチーフ・デザイン・オフィサー就任は、生成AI分野が「技術」中心から「体験」中心へと軸足を移しつつある流れを象徴する動きといえます。Co–Starは引き続き独立して運営される一方で、その知見やデザイン哲学がMidjourneyのプロダクト全体に波及していくことで、よりパーソナルでクリエイティブなAI体験が生まれるかどうかに注目が集まります。





