「雰囲気はあるのに、言葉にできない」——そんな検索のもどかしさを解消する新機能「AI Mode」が発表された。画像や音声、テキストで意図を“見せたり伝えたり”するだけで、探索しやすいリッチなビジュアル結果が得られるという。体験は、Lensや画像検索で培われた世界水準のビジュアル理解を組み合わせて実現したと説明されている。
新機能「AI Mode」の概要
AI Modeは、検索の入力方法をテキスト中心から“見せる・話す・打つ”へと拡張し、結果も写真・ビジュアルを核にした探索体験へと変えることを目指す。インスピレーション探しや比較検討など、言語化しづらいニーズに対応するのが狙いだ。
ポイント
ユーザーはカメラで見せる、声で話す、テキストで指示するといった“マルチモーダル”な入力で意図を伝えられる。AI Modeはスタイルや雰囲気、形状や質感などの特徴をとらえ、比較・発見に向いた視覚的な結果で返すのが特長だ。
- 画像・カメラ入力、音声、テキストなどで検索意図を表現可能
- リッチで視覚的な結果を提示し、探索・比較を後押し
- Lensや画像検索のビジュアル理解を統合して動作
- 発表によれば本日より提供開始(詳細条件は未公表)
仕組み
従来のキーワード一致に加え、被写体の形状・色・パターン・質感、さらには“雰囲気(vibe)”といった抽象的な特徴を総合的に解釈。Lens由来の視覚理解と画像検索のインデックスを組み合わせ、類似性や関連性の高い候補をビジュアル中心で並べる。これにより、言語化しづらいニーズでも「見れば分かる」候補に素早く辿り着ける。
どんな時に役立つ?
具体的な商品名や用語が分からなくても、手元の写真や“こういう感じ”という説明から探索が始められる。発想の出発点が感覚的でも、現物に近いビジュアル候補で徐々に精度を高められるのが利点だ。
- ファッション: 「この雰囲気のコーデ」で似たスタイルやアイテムを探す
- インテリア: 部屋の写真を見せて合うテイストの家具や配色を見つける
- 旅行・街歩き: 気になる建物や路地の写真から似たスポットを発見
- 料理のヒント: 仕上がりの見た目や盛り付けのムードからレシピの方向性を探る
- DIY・趣味: 部品や素材の形状から互換アイテムや作例を見つける
使い方と提供状況
使い方はシンプルだ。AI Modeに切り替え、見せる(カメラ・画像)、話す(音声)、打つ(テキスト)のいずれかで意図を伝えるだけで、視覚的に整理された結果が提示される。発表では「本日から利用可能」とされているが、対応地域・言語、利用条件などの詳細は記事執筆時点で明らかにされていない。
市場への影響
検索の起点がテキストから“感覚”へ広がることで、インスピレーション探索や商品比較の体験は大きく変わる。ECや広告、クリエイティブ領域では、スタイルや雰囲気でのマッチング精度向上が期待され、発見から購買・制作に至る導線の最適化が進む可能性がある。
利用時の留意点
強力な視覚理解は便利な一方、生成AI特有の解釈違いが生じる可能性もある。プライバシーと情報の確からしさに配慮しながら活用したい。
- 個人情報や機微な内容が含まれる画像のアップロードは避ける
- AIの提案はあくまで候補。重要な判断は複数の情報源で裏取りする
- 買い物は仕様・レビュー・公式情報などで最終確認する
今後の展望
言葉にしづらい“感じ”から始める検索は、創造的な発見と意思決定を後押しする。今後は文脈理解やパーソナライズの進化、ショッピングや制作ツールとの連携強化など、体験の一層の拡張が見込まれる。ユーザーは、見せる・話す・打つを自在に組み合わせ、より直感的な探索へと移行していくだろう。




