動画生成AIサービスが、新たに「開始フレームと終了フレームの指定」「ループ動画の作成」「Discordでの動画生成対応」という3つの機能拡張を同時に発表しました。クリエイターやマーケター、SNS運用担当者にとって、より細かな演出と手軽なコラボレーションが可能になるアップデートです。
最新アップデートの概要
開始・終了フレームを指定できる動画生成
今回のアップデートでは、動画を生成する際に「どのフレームから始め、どのフレームで終えるか」を指定できるようになりました。これにより、ストーリーの山場だけを切り出したり、特定の動きが完結するタイミングで動画を終わらせるなど、狙い通りの尺と構成で動画を仕上げやすくなります。
ループ動画の自動生成に対応
開始・終了フレームの制御が可能になったことで、途切れの少ないループ動画も実現しやすくなりました。BGMや効果音と組み合わせれば、次のようなコンテンツに活用できます。
- InstagramリールやTikTok向けのショートループ動画
- Webサイトやアプリの背景アニメーション
- イベント会場やデジタルサイネージ用の無限ループ映像
Discord上で動画生成が可能に
動画生成機能がDiscordにも対応し、テキストチャットの延長線上で動画を作れるようになります。チームのサーバーでプロンプト（指示文）を共有しながら、みんなでアイデアを出しつつ動画を試作していくといったコラボレーションがしやすくなるのが特徴です。
クリエイターにもたらされるメリット
SNS・マーケティングでの活用シーン
ループ動画や秒数をきっちり揃えたクリップは、SNS広告やフィード投稿で高い効果を発揮します。今回の機能強化により、例えば「3秒できれいにループするブランドロゴアニメーション」や「5秒で商品の特徴を伝えるショートクリップ」などを、試行錯誤しながら高速に量産することが可能になります。
チームコラボレーションとワークフロー改善
Discordでの生成に対応したことで、動画制作の初期アイデア出しから試作品の共有までを、すべてチャットのタイムライン上で完結できます。クリエイティブディレクターがテキストで指示を出し、デザイナーやエンジニアがそれに応じてプロンプトを調整し、すぐに生成結果を確認する――といったワークフローが実現しやすくなります。
Web版の「フル機能」も引き続き利用可能
開発チームは、Discord対応を発表しつつも「優れたWeb体験も用意している」と強調しています。ブラウザ版では、より詳細な設定や履歴管理、ファイル管理など、チャットボット的な利用を超えた本格的な制作環境としての利用が期待できます。用途に応じてDiscordとWebの両方を使い分けるのが現実的な選択肢となりそうです。
今後の展開とユーザーへの影響
動画生成AIが「細部のコントロール」へ進化
これまでの動画生成AIは、「どんな映像が出てくるかはお楽しみ」という側面が強く、クリエイターが細部をコントロールしづらい面がありました。今回のようにフレーム単位での開始・終了を指定できるようになると、編集ツールに近い精度でAI動画を扱えるようになり、プロの現場でも実務投入しやすくなっていきます。
利用者が意識したいポイント
一方で、生成AI動画の利用にあたっては、著作権や商用利用ポリシー、プラットフォームごとのガイドラインへの配慮が欠かせません。特にループ動画は長く表示されることが多いため、ブランドイメージや視認性、視聴者の疲労感に配慮した設計が求められます。新機能を試しながら、自社のクリエイティブガイドラインにどう組み込むかを検討する必要があるでしょう。
まとめ
開始・終了フレームの指定機能、ループ動画への対応、そしてDiscordでの動画生成サポートは、いずれも「より使いやすく、よりコラボしやすい」動画生成環境を目指したアップデートといえます。SNSや広告、プロモーション動画制作に携わる人にとって、試作から本制作までのスピードを高める有力な選択肢となりそうです。
