Microsoftは、ブラウザー「Edge」にAIアシスタントの新機能「Copilotモード」を案内した。開いているタブの内容を読み取り、必要な操作を提案・実行し、さらに閲覧履歴を“ストーリー”として再構成して見やすくするという。情報収集や作業の流れを一気通貫で支援することで、日々のブラウジング体験の質を高める狙いがある。
概要と主なポイント
「Copilotモード」とは
Edgeに統合されたAIアシスタントが、ページやタブの文脈を読み取り、ユーザーの目的に合わせてサポートする新しいブラウジング体験。従来の「検索して、開いて、まとめる」を別々に行う流れを、1つの画面上でつなぐ設計が特徴だ。
- タブを読み取り：開いているページ群の内容や関係性を理解
- アクション支援：必要に応じて操作の提案や実行をサポート
- 履歴をストーリー化：過去の閲覧をテーマ別に再構成し振り返りを容易に
何が新しいのか
ポイントは「理解（タブの文脈）」「行動（操作の提案・実行）」「振り返り（履歴の物語化）」をワンストップにしたこと。単なる要約やチャットに留まらず、ブラウジングの前後工程までを含めて支援するため、調査・比較・意思決定といった一連の作業を短縮できる可能性がある。
入手方法
MicrosoftはCopilotのダウンロードページを案内している。最新の提供状況は環境によって異なる可能性があるため、公式案内を確認した上で試すとよい。ダウンロードはこちら：https://t.co/MN6OOaVFAh
使い方とユースケース
タブの要約・横断比較
複数タブで集めた情報を、要点に絞って横断的に整理できる。レビュー記事や論点が散らばりがちな調査でも、Copilotに「結論の違い」や「共通点」を尋ねることで、短時間で判断材料を抽出しやすくなる。
- ニュースやレポートの要旨をまとめる
- 製品仕様や価格、評価の差分を洗い出す
- 長文ページの要点や次に読むべき箇所を提示
操作の自動化（アクション）
ページの内容や状況に応じて、次に行うべき操作を提案し、実行までサポートする。リンク遷移や保存・共有など、ブラウジング中の細かな手数を減らしてくれることが期待できる。
- 関連記事の表示や、関連タブへの誘導
- ブックマーク・コレクションへの保存や共有の提案
- 該当セクションへのジャンプ、ページ内検索の支援
履歴の“ストーリー化”で振り返りが簡単に
時系列で断片化しがちな閲覧履歴を、テーマや目的ごとに再構成してくれる。点在する調査の足跡を一本の“物語”としてたどれるため、作業の再開やレポート作成がスムーズになる。
- 「旅行計画」「学習メモ」「比較検討」などテーマ別に整理
- 重要ページや結論に至る根拠を、後から俯瞰して確認
- 再利用しやすい形で情報の流れを再提示
影響と注意点
生産性へのインパクト
情報の要約と行動提案が統合されることで、調査から意思決定までのリードタイム短縮が見込める。特にタブが増えがちなリサーチ業務や、複数案の比較検討で効果を発揮しやすいだろう。
プライバシーとデータ管理
履歴の活用は便利な一方で、扱う情報の機微に配慮が必要だ。利用前に設定や権限、共有範囲を確認し、業務利用では社内ポリシーに沿った運用を徹底したい。個人情報や社外秘を含むページの要約・共有には特に注意しよう。
- 履歴や閲覧データの取り扱い方針を事前に確認
- 共同PC・共有環境では使用範囲を明確化
- 要約内容の事実確認と、重要情報の二重チェック
競合との位置づけ
各社ブラウザーでもAI活用が進む中、EdgeのCopilotモードは「タブ理解×操作支援×履歴の再構成」を一体化した点で差別化を狙う。日常のブラウジングをどこまで“作業フロー”として最適化できるかが評価の分かれ目になりそうだ。
まとめ
Copilotモードは、情報の収集・整理・実行・振り返りをつなぐ新しいブラウジング体験を提案する。まずは個人の調査や学習、比較検討で試し、ワークフローに合致する使いどころを見極めたい。利便性とプライバシー配慮を両立させながら活用すれば、日々の「見る・調べる・決める」が一段とスムーズになるはずだ。
