GMO AI＆ロボティクス商事株式会社は、日本科学未来館と共同で、実装業務の約80％をAIが自動生成するロボットの実証実験を実施します。4カ国語による対話型の展示案内を行う取り組みで、8月25〜31日の期間限定公開。国内初の試みとして、AIとロボティクスの実運用に向けた大きな一歩となりそうです。
実証実験の概要
国内初の取り組み：AIがプログラムを自動生成
今回の実証では、ロボットの実装業務の約80％をAIが自動生成。人手によるコーディングを大幅に減らしつつ、展示案内という来館者接点での運用精度を検証します。AIが生成したコードが実際の現場でどこまで通用するかを見極める、重要な検証の場となります。
共同実施：GMO AI＆ロボティクス商事 × 日本科学未来館
AI・ロボティクスの実装力を持つ企業と、科学技術の社会実装を進める科学館がタッグを組むことで、来館者に開かれた形で最新技術の実力を検証します。現場でのフィードバックを得ることで、研究と実装の距離を縮める狙いがあります。
実施期間と公開形式
公開は8月25〜31日の期間限定。日本科学未来館の展示案内として運用され、実際の来館者との対話を通じて、多言語対応や案内品質、運用安定性などを確認します。
体験内容と技術的ポイント
実装業務の80％を自動化する意義
AIによるコード自動生成は、開発スピードの向上や保守・更新の効率化につながります。特にロボットのようにセンサーや音声対話、動作制御が連動する領域では、テストと改善のサイクルを素早く回すことが重要です。自動生成比率が高まるほど、現場での改善にも迅速に対応できます。
4カ国語の対話型展示案内
ロボットは4カ国語で案内に対応。訪日客や多様な来館者に向けて、言語の壁を越えた情報提供を目指します。多言語の同時運用は、音声認識や言語選択の設計、応答の自然さなど、AI対話の完成度が問われる重要な要素です。
来館者が体験できること
来館者は、展示案内をロボットとの自然な対話で体験できます。質問への応答、ルート案内、展示の多言語解説などを通じて、AIとロボットが融合した新しい館内コミュニケーションの形を実感できます。
- 言語の切り替えや理解度の確認
- 混雑時の効率的な案内の可能性
- 人とロボットの協働による接客体験
社会的意義と波及効果
公共空間での実運用に向けた一歩
館内案内のような公共性の高い現場でAI生成コードを運用することは、商業施設、交通機関、医療・福祉などへの応用にも示唆を与えます。多様な来訪者に対する公平な情報提供や、省人化とサービス品質の両立に貢献する可能性があります。
教育・観光分野への広がり
多言語対話と自動化の組み合わせは、博物館・美術館、観光案内所、キャンパスツアーなどで活用が見込めます。AIが実装作業を担うことで、現場ごとの運用に合わせたカスタマイズやスケール展開が現実的になります。
今後の展望
今回の期間限定実証で得られる運用データと来館者の反応は、AIによる自動生成の品質向上と、ロボット接客の実用化を後押しします。多言語対応の精度、対話の自然さ、保守運用の容易さが評価軸となり、今後の社会実装の加速が期待されます。
