OpenAIは、ChatGPTの「グループチャット」機能を日本、ニュージーランド、韓国、台湾でパイロット提供すると発表した。複数人の会話にChatGPTが同席し、企画や意思決定、情報整理を支援する新しいコラボレーションの形が試される。
発表の概要
パイロット開始の地域
対象は日本、ニュージーランド、韓国、台湾の4地域。まずは試験提供（パイロット）として始まり、利用状況やフィードバックを踏まえて改善が進む見込みだ。
グループチャットの狙い
友人・家族・同僚などの複数人とChatGPTが同じスレッドでやり取りし、アイデア出し、要約、ドラフト作成、タスクの整理などをサポートすることが目的。人とAIが同じ文脈を共有することで、話し合いのスピードと一貫性を高める狙いがある。
提供形態と時期の位置づけ
本機能は限定的な試験提供段階で、対象や利用条件は段階的に拡大・変更される可能性がある。詳細や最新情報は、OpenAIの公式アナウンスを確認するのが確実だ。
どう使えるか—現場の活用シーン
仕事のコラボレーション
ミーティング前後の情報整理や合意形成の加速に向く。議題のブレスト、議事録の要約、役割分担の叩き台などをChatGPTが提示し、チームは取捨選択に集中できる。
- 会議メモやタスクの自動整理
- 要件定義・仕様書のたたき台生成
- 議論の論点や抜け漏れの洗い出し
- 複数案の比較表や意思決定の基準づくり
家族・友人のプランニング
旅行やイベントの計画で、日程や予算、食事の好みを一つのスレッドに集約。ChatGPTが候補行程や持ち物リストを提案し、参加者の希望を反映しながら調整を進めやすくする。
学習・研究サポート
勉強会やゼミのディスカッションに同席させ、要点整理、参考資料の方向付け、クイズ問題の作成などを支援。重要な内容は原典や一次情報で検証する姿勢が望ましい。
期待されるメリットと注意点
生産性と合意形成の加速
全員が同じ文脈でAIの提案を確認できるため、コピー&ペーストや個別共有の手間が減り、議論の可視化とスピード向上が期待できる。非同期でも議題が流れにくくなる効果もある。
プライバシー・データの取り扱い
グループ内で共有される情報は参加者全員に見えるため、機密や個人情報の扱いには注意が必要。利用前にデータの取り扱い方針や設定を確認し、公開範囲や参加権限を適切に管理したい。
導入前のチェックリスト
試す前に、目的とルールを明確にしておくとスムーズだ。
- 利用目的（ブレスト／要約／ドラフト作成 など）の合意
- 共有してよい情報・避ける情報（機密区分）の確認
- 参加者の権限と参加・退出ルール
- 記録・ログの扱い（保存範囲、保管期間）の取り決め
- 誤情報対策（重要事項は人間が検証）の徹底
- 公式アナウンスや利用規約・設定の最新確認
今後の展望
まずはアジア太平洋の一部地域で検証が始まった。フィードバックを通じて操作性や安全機能が磨かれ、対象拡大や他ツール連携の深化が進めば、会議・学習・生活の幅広い場面で「人とAIの同席」が標準化していく可能性がある。続報に注目したい。
