Googleは今週、生成AIとエージェントAIを軸に、日常の創作、調査、買い物体験を横断して進化させる複数のアップデートを発表・提供開始した。NotebookLM、Google フォト、Google メッセージ、Geminiアプリ、Flow by Google、そして研究領域のSIMA 2まで、幅広い製品に渡る刷新だ。ここではポイントを整理し、実務や生活での活用ヒントも紹介する。
今週の発表ハイライト
生成・編集体験の拡充
Google フォトに編集・生成・検索の新機能が6つ追加(Nano Banana を含む)。さらにGoogle メッセージ内でも写真を直接リミックスでき、作成と共有のサイクルが短縮される。
リサーチと知識整理の進化
NotebookLMは、動画で概要を作るスタイルのカスタマイズ、チャット履歴、画像を情報ソースとして扱う機能、Deep Researchなどを順次提供し、調査・理解・要約までの一連の流れを強化する。
買い物体験の一体化
GeminiアプリにGoogle ショッピングが統合され、外出先でもスムーズに検索から購入検討まで進められる。さらにAIモードにエージェント型のショッピング機能が登場し、チェックアウト補助や店舗在庫の電話確認までAIが支援する段階的な提供が始まった。
画像ワークスペースと研究の前進
Flow by Googleに「Images」タブが追加され、画像生成とリファインに集中できる専用ワークスペースが整備。研究面では、一般的で役立つAIエージェントを目指すSIMA(Scalable Instructable Multiworld Agent)2が次のマイルストーンとして発表された。
プロダクト別の主なアップデート
NotebookLM:調べる・まとめる・伝えるを一気通貫に
知識整理ツール「NotebookLM」に複数の強化が加わり、情報インプットからアウトプットまでの所要時間を短縮する。
- 動画による概要のカスタマイズ(スタイル選択)
- チャット履歴で経緯や方針を継続把握
- 画像をソースとして取り込み可能に
- Deep Researchで多角的な調査を支援
いずれも段階的なロールアウトのため、利用可能時期は地域やアカウントにより異なる可能性がある。
Google フォト&メッセージ:Nano Bananaで“リミックス”が身近に
Google フォトでは、編集・生成・検索の新たな6機能が追加され、写真の手直しからクリエイティブな作例づくりまで幅が広がる。加えてGoogle メッセージ内から写真を直接リミックスでき、Nano Bananaを活用した遊び心のある表現が手軽になる。
GeminiアプリとAIモード:検索から購入までを一気通貫
GeminiアプリにGoogle ショッピングが統合。商品探索から比較、購入検討までをアプリ内で完結しやすくなる。さらにAIモードでは、エージェントチェックアウトや店舗への在庫確認の自動電話など、エージェント型AIによるショッピング支援がロールアウト中だ。
Flow by Google:Imagesタブで画像制作に没入
新設の「Images」タブは、発想出し(アイデア生成)とリファイン(修正・洗練)を行き来しながら、バリエーション出しや品質調整を素早く回せる作業空間として機能する。
SIMA 2:一般的で役立つAIエージェント研究の次段階
Scalable Instructable Multiworld Agent 2は、さまざまな環境で指示に従い有用な振る舞いができるAIエージェントを目指す研究のマイルストーン。将来の実用化に向けた基盤技術の成熟が進む。
活用シーンと実務での効率化
学び・調査:NotebookLMで“集めて、深く理解し、要約する”
レポート作成や市場調査では、画像ソースを含む多様な資料をNotebookLMに集約し、Deep Researchで論点を深掘り。動画概要のカスタマイズで、要点を短時間で共有できる。
クリエイティブ:写真の表現幅を即興的に広げる
Google フォトの新機能群やNano Bananaによるリミックスは、SNS投稿やプロトタイピングに有用。試作を素早く回し、良い案だけを残す“スケッチ思考”と相性が良い。
買い物:Gemini+エージェントAIで意思決定を短縮
ホリデーシーズンのギフト選びは、Geminiアプリ内のショッピング統合で比較検討が容易に。AIモードのエージェント機能を使えば、在庫確認やチェックアウトの手間を軽減できる(提供状況は地域・アカウントにより異なる)。
チーム作業:ビジュアルの合意形成を速く
Flow by GoogleのImagesタブで、ムードボード作成、バリエーション比較、リファインを一箇所で回せる。企画初期の方向性合わせやクライアント共有が効率化する。
今後の展望
今回の機能群は段階的に展開されており、利用可能時期や内容は今後も拡充される見込みだ。エージェントAIは利便性と同時に、操作の透明性・ユーザー制御・安全性の設計が重要になる。研究面ではSIMA 2の進展が、より一般的で信頼できるAIエージェントの実用化に向けた道筋を示している。




